すぷりんぐぶろぐ

今、頬に感じる風を楽しめれば…

2014年7月のブログ記事

  • 「語りの人」の希望と誠実さ

     「2014読了」74冊目 ★★★  『輝く夜』(百田尚樹  講談社文庫)  小旅行のお伴に持参した。  単行本時の書名が『聖夜の贈り物』。  5編の短編はいずれもちょっとさえない女の子が主人公であり、聖夜に奇跡的な幸せを手にする物語。  1時間ちょっとで一気に読み切ってしまった。テレビドラマにし... 続きをみる

  • 人力を痛感する今どきの仕事

     久々に観光目的で東京へ行って、今さらながらに思うことがあった。  どちらも「今どきの仕事」のことである。  一つは浅草の人力車。  知ってはいたが、改めて間近に接すると、そうだよなあと思ったこと。  車夫は英語を話せないといけない。  大観光地の浅草。まったくの直感的なイメージでは観光客の半分以... 続きをみる

  • ああ浸食されて…手を

     『私の作文教育』(宇佐美寛 さくら社)を少しずつ読み進めていくシリーズ2回目。  P41  短い一文ずつを少しずつずらしながら書く,そのように書くことによって思考する。このような思考の技術は,文字の手書きによって担われている。  この「ありがたい教え」もキーボードで打っている自分が情けない。  ... 続きをみる

  • 「できる」に向く人生観

     久しぶりにビジネス誌を読んだ。  特集名が「孫正義の褒め方・叱り方」である。ソフトバンクユーザーではないが,同時代に生きる者として孫正義には多少なりとも関心がある。  要するにポジィティブということなのだろう。  それを示す,圧倒的な言葉があった。  「できる」と「できない」の決定的な違い  そ... 続きをみる

  • その日の天使を探そうよ

     『つらいことから書いてみようか』の「『あとがき』に代えて」に著者自身が書いたコラムが紹介されている。  「しあわせのトンボ」と題されたその文章に作家中島らもが語った印象深い一言がある。  その日一日には必ず一人天使がいる。  一日の中で出会った様々な人の中に,「その日の天使が一人」いれば,それが... 続きをみる

  • つらいことから書いてみたり

     「2014読了」73冊目 ★★  『つらいことから書いてみようか』(近藤勝重 幻冬舎)  上手いなあ,この題づけ。  もちろん本の中身の大事なことから取っているのだけれど,絶妙だ。  副題は「名コラムニストが小学5年生に語った文章の心得」。  冒頭の序「書く子は育つ」は,教室での作文指導の悪しき... 続きをみる

  • 言葉のない時間を巡る

     姪が子どもを授かり,先週無事出産した。この県にあって,いやこの国にあってまさに「子は宝」。本当に嬉しいことだ。生まれて間もない子を抱かせてもらう機会があった。いくら見続けても飽きないという心理は,いったい何だろうとつくづく思う。ほんの少しの動きに宿る,安らぎ感のような存在が眩しいのだ。  作家の... 続きをみる

  • 「唯一」という表現が気に障る

     『総合教育技術』の8月号を読む。「リーダー力と教師力を高める夏休み!」という特集設定はよくある。しかし、それにつけた形容句は「1年間で唯一のチャンスは、こう生かす」。めくってみると「唯一、余裕のある夏休み」ということらしい。素直に頷けない気がする。「唯一」という表現がどうも気に障る。  巻頭イン... 続きをみる

  • ソコから始める人の強さ

     「2014読了」71、72冊目 ★★★  『海賊と呼ばれた男(上)(下)』(百田尚樹  講談社文庫)  昨年の「本屋大賞」作品。文庫化を待っていた一冊?二冊である。  馴染みの書店でレジに持っていくと、ご主人から声をかけられた。  「作品は面白いのにねえ、実際に言うことは、ねえ・・・」  なんと... 続きをみる

  • 絶壁の間を船で行く

     三連休明けなので、ちょいと達成感が下がるが、とにかく一学期終了。お疲れ様でした。「大過なく」という形容を高評価とみてもいいかどうかは別にして、安全管理的な面では騒動になるようなことがなく終えられそうでほっとしている。ただこの安堵感は、なんとなくまだら色の感じで、これが時勢というものか。  先週、... 続きをみる

  • 足掛かりは後ろにある

     【足掛かり】(あしがかり)  ①高い所へ昇るとき、足をふみかける所。足場。  ②事に着手するいとぐち。拠点。  通知表の、いわゆる所見欄「学校から」と担任が書く文章の中に久しぶりに、この言葉を見た気がした。  ごく普通の言葉なのに…。  個人的な印象だが、この頃あまり使われないので... 続きをみる

  • だまされる身の責任

     「2014読了」70冊目 ★★★  『いのちの食べ方』(森達也  角川文庫)  森達也の書くことには注目している。  同年代ということもあるし、目のつけどころに共感する部分が多い。世間的にはどうなんだろう、と少し頭をよぎるが…。  そんなことはともかく、この本は面白かった。  「昨... 続きをみる

  • ありがたい教えの本を少しずつ

     こういう文体に憧れてしまう。  『私の作文教育』(宇佐美寛 さくら社)を少しずつ読み始めている。  そして、冒頭に書いたとおりの気持ちを持つ。  しかし、その一文は検討されなければならない。  それが、私にとって、この本を読んだ価値と言えるからである。  こういう文体に憧れてしまう。  何気なく... 続きをみる

  • 今さらの温故知新

     「2014読了」69冊目 ★★  『論語』(加地伸行  角川ソフィア文庫)  苦手意識があるけれど、これならいいかと思い手に取った。  なにしろ「ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」である。程よい難しさであった。  第一部は「孔子の生涯」、二部が「『論語』のことば」となっていて、いずれもどこか... 続きをみる

  • 20年前,この部屋で…

     朝から各学年より提出された通知表をチェックしていて,少し休憩をしたときに「ああ,そうだった」と思い出したことがあった。ちょうど20年前,この学校に赴任した,ちょうどこの時期だ。学級担任なしの教務主任という役目を仰せつかっていた。T校長先生が「ちょっとこっちへ…」と校長室から呼んでい... 続きをみる

  • 究極の健康オタク本

     「2014読了」68冊目 ★★  『医者に殺されない47の心得』(近藤 誠 アスコム)  書店で並べられている背表紙をみたとき、何度か書評等で紹介があったことを思い出した。  その中身は覚えていないが、ずいぶんと売れているらしい。  帯には「おかげさまで、100万部突破!!」とある。  健康法オ... 続きをみる

  • 石川晋先生を招いての会

     ぼやあっとしていたら,いつの間にかあと半月になっていました。  ご案内,宣伝です。  私の所属する湯沢雄勝国語教育研究会で,講師として北海道の石川晋先生を招いた夏の講座「まるごと一日国語教育講座」を開きます。  関心があり,ご都合がつく方はぜひお申し込みください。  ちょうど昨日,朝日新聞の「花... 続きをみる

  • 小骨どころではないか

     ちょうど一週間前の地方紙コラムだが、小骨のように引っかかっている記事がある。「飲酒運転と教員の現状」と題していい文章だと思う。一言でその構えをいうと「同情」か。しかし、そんなことを地方紙とはいえ一面に書いてどうすると思う。そこに到るまで、マスコミとして見逃してきた責任の自覚が全くない。  土曜日... 続きをみる

  • 生を描く映画美し

     一部に?名画の評価がある『わが母の記』を今頃になってビデオで視聴した。たぶん映画館だったら泣いたかもしれない。主人公が幼い頃に書いた詩の一節を惚けた母が口にして、大事にしまっていたその紙片を開き出す場面である。幼い頃から抱いてきた疑念が温かに溶けだす、その時をうまくとらえていたなあ。  誰もが少... 続きをみる

  • 新参者に振り回されて

     岩波書店の『図書』6月号に載っていた対談「芸術と科学の向かう先」は興味深かった。画家の横尾忠則と脳科学者の櫻井芳雄が語りあっている。「頭が先か、体が先か?」というテーマは考えさせられた。画家がキャンパスに向かう時の心身の状態はにわかに想像できないが、言葉ありきではないことは予想がつく。  「言葉... 続きをみる

  • 教材開発する精神の在り方

     「2014読了」67冊目 ★★  『エピソードで語る 教師力の極意』(佐藤幸司 明治図書)  この夏に町の研修会にお招きするので、それではと思い、一冊購読した。  もちろん、佐藤幸司先生の名前は知っていたし、道徳教育改革の冊子を継続して購読していた時期もあったので、何度となく論文は読んでいた。 ... 続きをみる

  • 神様が守りたくなる子

     町内の学校から要請があり、4年生の国語の授業参観をする機会があった。「調べたことを報告する文章を書こう」という単元で、事前にちょっと教科書を覗いてみたけれど、扱いにくい内容だと思った。念のため、同じ出版社が出す予定の次年度版を見ると、その単元は「新聞づくり」にシフトしているようだった。  新教科... 続きをみる

  • 観察対象としての「先生」

     「2014読了」66冊目 ★★  『短歌ください』(穂村 弘 角川文庫)  雑誌『ダ・ヴィンチ』は年に1,2回しか買わないので,投稿コーナーがあることは知っていたが,あまり記憶にない。  いずれ,穂村弘選による読者の短歌と選者の評によってまとめられている。  穂村の『短歌という爆弾』には触発され... 続きをみる

  • 人生の万華鏡を楽しむ

     引率していった修学旅行のビデオ編集をようやく完成させた。  いつもならDVD書き込みのところでトラブルのだが、今回はそれはなかった。  しかし、ソフトをつかって編集している段階で、画像が動かなくなったりしてやや不安を持ちながらの作業だった。  出来はあまり良くないが(それは撮影時点の問題も多く)... 続きをみる

  • 星を見上げる自分を

     今日は読み聞かせ。7月7日だから星ネタと思い、手持ちの紙芝居から『ふたごのほし』という賢治作品を選んでみた。夜に笛をふき星たちを巡らせる役目の双子の星が、ほうき星に騙されて海へ落ちて…という話だが、賢治だけに単なる勧善懲悪ではない。テーマは成長なのか、博愛なのか…星の... 続きをみる

  • 「やさしい刺激をし続ける」法

     ちょっとした健康オタクである。というより「健康法」オタクと言った方がいいか。だから、その系統の本も結構読んでいる。  愛読している小西先生のブログ「福禄寿」に、「佐田式健康法」のことが出ていたので興味を持ったので、購入してみた。 「2014読了」65冊目 ★  『佐田式健康法』(佐田欣夫 たにぐ... 続きをみる

  • 山の畑,町の空地

     ボランティア委員会の子どもたちが,高齢者との触れあいの一環として農園活動をするというので一緒に出かけてみた。短時間ながら意義のある活動だったと思う。そこは,幼い頃の記憶が残る場所のすぐ近くにあった。実家ではわずかながら山間地に畑を持っていた。小学生当時に手伝いとして何度か足を運んだ。  じゃがい... 続きをみる

  • 落ち込み対策語録

     先週、ある件が妙にひっかかり、心を暗くした時間があった。解決できることなのに、踏み出せない性格をくよくよする、よくあるパターンだ。脱け出すきっかけは「そんなことに悩んでいる暇はないのだ」という俯瞰的な位置へのスライドだった。気分転換もいいが、思考の幅を広げる方が自分にはベターのようだ。  この頃... 続きをみる

  • プールが開く苦い思い出

     学校のプールにようやく歓声が上がった。ずいぶんと前にプール清掃はしたのだが,水質検査がなかなか出来ず,今までお預けだったので子どもたちは待ち遠しかったろう。昨日の全校集会では「マグロの身が赤いわけ」を話して,水泳で体を鍛えることにつなげた。今年も元気いっぱいにたくさん泳いでほしい。  水泳の学習... 続きをみる

  • その結び方を覆っているもの

     昨日、本県大館市の教育長である高橋善之氏の講演を拝聴した。「未来ゆきの乗車券」と題したそのお話は骨太であり、困難ではあるけれども何とか現状を打破したいという気概の感じられるものだった。概要の一部はこの文章によくまとめられていると思う。秋田県人なら多くが抱いている危機感がそこにある。  進められて... 続きをみる

  • おじさん,20代に導かれる

     「2014読了」64冊目 ★★★  『だから日本はズレている』(古市憲寿  新潮新書)  テレビの討論番組で著者を観たときの、妙に冷静な語り口の印象が残っている。  前著『絶望の国の幸福な若者たち』は読んでいないが、これはいわば続編なのだと思う。  テレビでの印象そのままに淡々とこの国の現実と分... 続きをみる