猛暑、真冬の怖い話を語る
学校の二学期が始まる今日、私もほぼ三週間ぶりにこども園の読み聞かせがある。結構、長い期間だったのでじっくりと選書を迷える(笑)ことも楽しい。「ゴリラ・アラウンド」と名づけた前回は、徹底したゴリラ絵本のラインナップだったが、今回はどうしようか…。まず、思いついたのが「こわい本」である。
園を訪問すると、定番のごとく声をかけられる。「こわい本、持ってきた?」…だいたい「どうかなあ、怖いかな」とか「持ってきたよう」とにこやかに言いながら、ややかわしていくような展開になる。しかし、今回は「持ってきました」とはっきり言いたい。そして、題名がダイレクトなこの絵本を自信を持って見せる。

(せな・けいこ 鈴木出版)
8月下旬になってもまだ暑さは十分に真夏だし「みんなに ぶるぶるふるえてもらおう!!」と大袈裟に言うのもいいかもしれない…と有名なロングセラー絵本なので、中味を知っている方は微笑んでくれるだろう。真冬に山で迷子になった「おばけ」が、子どもに道を尋ね、子どもが家へ帰って知らせ…という展開。
口から口へ伝えられる「おばけ」の様子が、だんだんと変貌し、とんでもない姿になっていき…という、現代社会でもよくあるような「怖さ」がもとになっている。もちろん、幼い子どもたちはそんなふうには受けとめず、えっと驚いたり、くすっと笑ってくれたりすればいい。それにしても、うまく出来ている話だ。
映像や音声の記録情報は変化しないが(もっとも、それにしたって意図的な加工の場合もある)、口伝や文字情報などでは不確かさと共に、個々の「想像力」が加わっていく。何かを強調し、何かをぼやけさせ、とんでもない姿になったりする場合も…。あれっ、これは読み聞かせにも通ずるのでは…そう思うと怖い。