すぷりんぐぶろぐ

今、頬に感じる風を楽しめれば…

2011年11月のブログ記事

  • 警告と希望の書

     『奇跡のリンゴ ~「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』(石川拓治 幻冬舎文庫)  この一冊を、成功物語と括ることは憚られる。  これは警告の書であり、希望の書であると感じた。  何が警告されていたか。  リンゴ栽培に農薬が必要なことは知っていた。しかし、これほどまでに農薬に深く依存し、農... 続きをみる

  • 鍛える国語~「チャンス」を考える

     今年も花巻の「鍛える国語教室」に参加させていただいた。  翌日に何も予定がなかったので、懇親会にも入れていただき、研修会と同様充実した時間を過ごすことができた。  毎年、精力的に企画、運営する照井校長先生を初めスタッフの方々からまた元気をいただいたような気がする。  さて、今回は講座が4つとミニ... 続きをみる

  • 日本のフレーベルよ

     「日本のフレーベルと言ったら、佐藤信淵なんです」  えっ、と思った。  フレーベルが幼児教育の祖であることは、遠い昔、教育学か教育史で学んである。しかし教育面で佐藤信淵という名が登場するとは初耳だ。  信淵が学び広めた考えは、非常に範囲が広い。  農政、経済、海防、地理、天文…に加... 続きをみる

  • 東京の名づけ親、ここにあり

     佐藤信淵という江戸後期の学者の名前を知っている人は少ないだろう。  詳しくはウィキペディアで。  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E4%BF%A1%E6%B7%B5  我が地元秋田県羽後町の出身であり、「しんえんさん」「しんえんさま... 続きをみる

  • 遥かに遠い友人

     ああこれは自分のことを書いている、考えていることが全く同じだという本にめぐり逢ったことが数回ある。  その一冊が穂村弘の書いたエッセイで、それ以来彼には強いシンパシーを感じていた。『ちくま』の連載「絶叫委員会」なども実に楽しい。二年ほどNHKの短歌番組を見続けたことがあったのも、その影響かもしれ... 続きをみる

  • 談志、逝く

     昨日の夕方のテレビニュースは、一斉に立川談志の逝去を報じていた。  一度も生で観たときはない。しかしとにかく抜群の存在感である。それを世の人たちも認めているからこそ、トップニュースとなる。  私にとって最初のイメージは「笑点」でしかなかったが、最近は志の輔、談春の師匠であり、お気に入りの彼らを作... 続きをみる

  • まず、種を鍛えよ

     総合教育技術誌の野口芳宏先生の連載に、次のような一文がある。  その人に備わった何気ない仕草が、実はその人のトータルな教養とも言えるからである。  なんとも心に沁み入る、また自分自身の言動を振り替えざるを得ない着眼である。  「自分は育ちが悪いから」などとこの齢にして言い訳にならないことを口にし... 続きをみる

  • そういうシステムなんだよ

     一時期、「システムとレパートリー」が実践上のキーワードだった。  学級の中にシステムを作ることを当然と思い、それは今も変わってはいない。スムーズに動く仕掛けと言い換えてもいいかもしれない。そのこと自体に疑問はない。  しかしこの「システム」が大きい規模をもつ時、そこに自分がいることの(きっと様々... 続きをみる

  • 正面掲示考、再録

     先月からいくつか研究会があり、他校の教室を参観する機会があった。  当然ながら教室環境に目がいく。その中でも真っ先に目に入るのは正面掲示である。  うーん、最近この分野?はどうなんだろうなと思う。  ビジュアル的に様々な工夫は目立つが、なんだか画一的のようにも感じる。  他校の例は失礼なので、本... 続きをみる

  • 抜け落ちてしまったディテール

     文庫本になった上下二巻の『モダンタイムス』(伊坂幸太郎 講談社文庫)を買い、読み進めている。  上巻の半分過ぎまで読んだが、なるほどの伊坂ワールドだなと思う。通読後に感想メモするのが常だが、長くかかりそうだし、ここで書き留めたいと思ったことがある。  この小説には「井坂好太郎」という小説家が登場... 続きをみる

  • 子どもの頭の振れが止まるとき

     まったくそちらの方面は疎い自分でも、「二期会」という名前ぐらいは聞いたことがあって、本公演の前に九月に少人数で訪れていただいた時も、ちょっと聞き入った記憶がある。  今日は総勢40人ほどの来校である。  文化庁の「次代を担う子どもの文化芸術体験事業」に申し込み、県内では唯一の開催ということで、実... 続きをみる

  • 「自分の言葉で」という驕り

     ある学校の冊子で研究主題の一部に「自分の言葉で表現しよう」という文言を見た。  けして珍しい言葉ではないが、少しひっかかる気持ちが湧いた。  「自分の言葉で」といったとき、どんな姿をイメージするのだろうか。  文字通りに読めば、特殊な例を除き、誰しも自分の言葉で語ったり、書いたりしているだろう。... 続きをみる

  • 道具を武器と意識する

     『武器としての決断思考』(瀧本哲史 星海社新書)  先週の休日、大会応援の隙間時間に立ち寄った書店の新書コーナーでたまたま見つけた。複数の方々がネット上で紹介していたので、さてどんなものやらと買い求めてみた。    「ディベート=意思決定のための具体的方法」ととらえて、詳しく論を進めている。非常... 続きをみる

  • 繰り返される動きの哀しみ

     週末にイッセー尾形の一人芝居を観た。  三度目となる。  今回はいずれも震災以後に創った新作ということだった。  http://www.issey-ogata.net/    何か特別な題材を取り上げているわけではない。しかし、自分としては三度目になってようやく、どうしてこの舞台は面白いんだろう... 続きをみる

  • いちいち、いちいち

     震災でキャンセルになってしまったが、楽しみにしていた落語会があった。  柳家花緑と春風亭昇太という、落語を少しでも知っている人にとっては豪華な組み合わせ。残念ながら再公演の日は都合が合わなかった。  そんなことでまだ聞いたことのない一人となる花緑の文庫本があったので読んでみた。  『僕が、落語を... 続きをみる

  • こんな日もある

     日記といっても数行のメモ程度だが、ここ数年どうにか続けている。少しまとめて書きとめておきたいことは、このブログになるわけだが、たまには一日の出来事をここに残しておくのも悪くないなと思い、打ちはじめる。  もう3時台で少し目を覚ましたが、うつらうつらしながら起き出したのが5時過ぎとなった。  いつ... 続きをみる

  • 秋、いのちの詩を読む

     昨日午後、秋田大学の成田先生をお招きして校内研修を持った  「授業力向上セミナー」と銘うって続けているものである。三年生を相手に特別授業をしていただき、それに絡めた講話をしていただいた。  本校の今年度の研究副主題として掲げてある「学習形態の工夫」に関わって、成田先生に提示していただいた授業は「... 続きをみる

  • わかっている人は、こう表現する

     『佐藤可士和の超整理術』(日経ビジネス人文庫)  http://www.nikkeibook.com/detail.php?class_code=16594  超のつくほど有名なデザイナー(アートディレクターと書かれてある)である。  デザインに関心はあるほうだが、造詣が深いわけではない。  た... 続きをみる

  • 自分で自分を教育する

     『ただ一人の個性を創るために』(曽野綾子 PHP文庫)  この著の要諦を一言で表すとすれば、「文庫版まえがき」に記された、この箇所を挙げたい。  自分で自分を教育するほど、楽しいことはない。  しかしそれは同時に厳しいことであり、それを受けとめる覚悟をつくることを「教育」というのかもしれない。 ... 続きをみる

  • 小春日和にカメラ噺

     デジカメの普段使いラインナップを大きく変えて、九ヶ月が過ぎた。  戯れに「愛人カメラ」と称しているリコーのCX4の頻度が圧倒的だが、本妻のα55も実際なかなか使いまわしがいいのである。  自分にとって初めてのデジイチであるα55を触っていたら、思い出したことがあった。  ... 続きをみる

  • 文化の日『悪人』再読

     連休に心躍らせたわけではないが、三時半頃に目が冴えてしまって起き出す。  日曜日夜に昨年話題となった『悪人』の映画がテレビ放送されるとあったので、もう一回あの小説を読んでみようと思った。    4時頃から読み出し途中少し休みつつも10時前に読了した。やはり面白い。  単行本が発刊されたときに話題... 続きをみる

  • 晩秋の月となり

     振替休業日があるので四連休という、ちょっとした秋休み気分である。もっとも土日には大会などがあり、忙しく過ごす子どもたちもいるのだが。  さて先週末から、視聴覚教育の研究会に参加したり、図工の講座や授業研で絵画鑑賞が設定されたりで、絵や写真などに縁がある日が続いた。  国語教科書に写真や絵画資料を... 続きをみる

  • 「分かりやすい授業」を分かりやすく

     今日、参加した授業研究会で、協議の視点の一つ目が妙に気になった。  分かりやすい授業  いや、ごく普通の言葉であり、よく使われているのかもしれない。数日前に送られてきた指導案等を見ても何も感じなかったのだが、さてKJ法を取り入れた協議を始める段になって、付箋に書こうかと考えたとき、「えっ、分かり... 続きをみる