すぷりんぐぶろぐ

今、頬に感じる風を楽しめれば…

2008年1月のブログ記事

  • ややこしさに可能性を見つけられるか

     筆者が言うところの「長く膨大にして、ややこしくかつ広範な本」である『日本の行く道』(集英社新書)。  なんども逸れそうになったり、もどってみたりしながら一応最後まで読み進めた。  いくつもの付箋、マーカー引きの文章があるにはあるが、で、結局なんだと問われれば前書きにもどるしかないか。  その「原... 続きをみる

  • 睡る姿は平和で美しい

     思えば一番初めに今で言う「漢字文化」に目覚めたのは「民」という字の成り立ちだった。教師になって二年目だったと記憶している。「目に矢を刺して奴隷化する」というその字源は衝撃的だった。それから結構、漢字の授業にははまった。  それはともかく、「睡眠」は似た字を組み合わせた熟語であるが、字源から考える... 続きをみる

  • 見返しの文章に惹かれて

     『日本の行く道』というタイトルを見ると、人は「これからの日本の行く道を教えてくれる教科書のようなものだ」と考えるでしょう。そして人は「教科書のような顔をした本」を求めます。なぜなら「教科書ならよっかかれる。だから安心だ」と思うからです。しかしこの安心は生きるための選択肢を狭めることです―― 『日... 続きをみる

  • 真剣に「語る」教師

     「語る」ということを考えていて頭に浮かんだテレビ番組の話題を。  正月二日だったろうか、BSである海外ドラマが放送されていた。  「先生はあきらめない~ロン・クラーク物語」という題名だったので、ああ、あの全米最優秀教師(ディズニー社が主催だそうです)のお話かと思い興味を持って見た。実話がもとにな... 続きをみる

  • 追い込んでノセル

     校内研修用にと久しぶりにパワーポイントで資料作成をしたのだが、流れ優先の準備になってしまい焦点化できなかった。内容を俯瞰してみると切り口はたくさんあったのに…と反省が多い。「盛り込み過ぎ」という課題はいつまでもついてまわる… ---------------  縷述「つ... 続きをみる

  • ぶれない自然体

     歌舞伎座の花道から登場する坂東玉三郎を観て、びっくりしたことがある。  衣装で見えない裾の中に、まるで機械仕掛けの台車でも入れているような動きだ。  頭が少しも動かない。上体にひとかけらのぶれも感じられない。  録画しておいたNHKプロフェショナル仕事の流儀を見た。  以前、佐渡の「鼓動」との共... 続きをみる

  • 世の中は冷を求めていたか

     「頭を冷やせ」などと昔はよく使われた気がする。  そういう意味で激高したり興奮したりする人が少なくなったのかもしれない。  熱のない国かこの国は…などと嘆いてみたくなる。  それはともかく、この季節に引っ掛けて子育てにもある種の「冷たさ」は必要、というようなオチにしてみたのだが、様... 続きをみる

  • 自分の「人間力」を育てるために

     『「人間力」の育て方』(堀田力著 集英社新書)を読んだ。  この本は堀田氏による現行の教育批判という括り方をしてもよいだろう。  政府主導の教育再生会議に対抗?して教育再生民間会議を立ち上げるだけの度量も気概もある方である。  総論として頷けることが多い内容であったし、「自助・共助」という根本の... 続きをみる

  • ゴールを見る良い身体の向き

     『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三著 光文社新書)を読んだ。  なぜサッカーか。  サッカー以外のスポーツを題名に当てはめても頷けるが、他に比べてその意味合いが一層強くなるには訳があるだろう。  一つのボールの行方をめぐって競技するスポーツは他にもあるが、フィールドの広さ、人数と... 続きをみる

  • 音読のことを考えていたら…

     月曜日の校内研修で「音読」について少し話すこととなった。  数年前にも町内の研修会で「国語の授業づくり」について1時間ほど話したときも、切り出しは「音読」であった。その時にも明治図書の「国語教育」誌をあたってみたのだが、「音読」を特集テーマに掲げている号は少ないようだ。  80年代後半からの号が... 続きをみる

  • 「標」は少し高いところへ

     「標」という字は使われる頻度が高いが、この字で個人的にすぐ思い浮かべるのは「雪標」である。  現代ではいかに北国であっても死語と言えようが、喩えであればこの先行き不透明な時代には十分に光ってほしい言葉である。  若い時分に学級通信をそのタイトルにしたことがあったが、今思えばちょっと背伸びした使い... 続きをみる

  • 「何もないけど何でもある」力

     立川志の輔の落語を聴く機会があった。  たった一人で一ヶ月のロングラン落語会を満席にできる実力者であり人気者である。  今年、自身の新作落語がなんと映画化されるということで、さらに注目を浴びている。その映画の封切が2月にあり、その前の一ヶ月間、連日その新作と他の演目を行う形で三時間の高座を務めて... 続きをみる

  • 「ガマンの価値」の見直し

     悲惨な事件があれば必ずといっていいほど犯人の心理判定のようなことが取り沙汰される。特に青少年の犯罪である場合にはそれが当たり前になっている。むろん、大切なことである。その衝動性は何が原因だったのか詳らかにされるのだから…。  しかし、アバウトな見方であるのかもしれないが、結局自分の... 続きをみる

  • 「まず、させる」からスタート

     いよいよ来週から三学期のスタート。学期初めのネタの参考にと書いていたら、いつの間にか「まず、させる」というオチになってしまった。しかし「まず、させる」「まず、する」は大切なことだ。 ------------  縷述「つながる授業」30  祝日絡みで三連休が続くと、学習に向かう子どもたちの状態はぐ... 続きをみる

  • 「悪人」との出合い

     小説に嵌まるのは年に一度か二度ほどだろうか。  書評関係の特集で高い評価を得ていた『悪人』(吉田修一著 朝日新聞社)を、昨年末に注文した。  正月休みのとある午後、その420ページの単行本を3時間ほどで一気に読みきる。ぐいぐいと惹きつけられた。こんな感覚は久しぶりだった。  2006年春から20... 続きをみる

  • 「普通」の変質

     本の帯にかの養老孟司氏が寄せている言葉は、大げさとは言えない。  「誰も口にできなかったことを、表面化させている。その現実は、ホラーよりもホラーである」   『普通の家族がいちばん怖い~徹底調査!破滅する日本の食卓』(岩村暢子・新潮社 )は、読み進むにつれて、気分が悪くなっていく本である。少なく... 続きをみる

  • 習慣とは運動なり

     習慣には、広辞苑の第二義として「後天的に習得し、比較的固定して、少ない努力で反復できる行動様式」がある。そして狭義には「『運動』に関係したもの」という記述もある。「知識」に関係したものを記憶と呼ぶことと対照的に取り上げられているのだ。  教育に携わる人間にとっては、実に興味深い区分だと思う。  ... 続きをみる

  • 見た目

     どの時代でも「人間は中身で判断すべき」「中身を見ろ」という主張は繰り返されてきた。その批判はいつの時代でも正しい。が、いつの時代でも、現実的効力は持たない。  それよりも、社会が「見た目印象主義」であることを認識した上で、その社会では、どんなことがおき、どんな行動や努力が効率的に機能するのか。そ... 続きをみる

  • 跳躍

     人類は前進するという習性に恐らく逆らえない。たとえそれが完全なるゼロに続く道であろうとも。  我々は止まるのではなく、新しい価値観を生み出す為に、むしろスピードを上げて思い切った跳躍をするべきなのだ。 太田 光『パラレルな世紀への跳躍』(集英社文庫)  問題はスピードである。  スピードを上げて... 続きをみる