すぷりんぐぶろぐ

今、頬に感じる風を楽しめれば…

流れたり、とどめたり…「シ」の強さ

すぷりんぐ

 先日、馴染みの散髪店へ行ったら、妙齢のご婦人方が揃っていて、ひとしきり方言?の話題となった。祖母の世代がよく床拭きなどをする時に「シィ―」と声を出していたが、あれは何だったのかで盛り上がっている。確かに、亡くなった祖母や母が掃除や洗濯などの折に口にしていた。そこにいた全員が覚えていた。


 様々な説が飛びかった。スマホを使いAIに訊いた方もいらしたが、さすがにそれらしい返答は得られなかったようだ。個人的に笑ったのは、拭き掃除も洗いものなども水に関係しているし、昔は川での洗濯もあったからそこで「シィ―」と声を出すのは、汚れを海の方へ流してやることじゃないの「sea」だけに…。


 とそれは全く駄洒落話だが、「汚れを流す」ために「シィ―」というのはいくつか共通項を見いだせる。赤ん坊をおしっこさせる際にシィ―というのは、他県でも通用しているかもしれないし。邪魔者を追い払うときの「シッシッ…」も似ている…さすがに広げすぎか。手元の文献にはやはり擬声語として載っていた。


     今年はずいぶんと花芽が多かった我が家の夏椿。一日限りの輝きとともに落ちていく。


 字面だけ似ている語として「シ―シ―」がある。これは共通語?としては「スース―」に該当しそう。若干ニュアンスが異なるか。いうなれば清涼感ということ。食事や湿布を貼った時、味覚や肌感覚に使う。「シーシーデェ」と言い方もあまりしなくなった。それにしても意識的に「シ」と発音すると、ずいぶん口に力が入る。


 辞書でを開くと、発音は「前舌と硬口蓋前部との間の無声摩擦音Sと母音iとの結合した音節」とあった。意識して発音するとその鋭さに改めて気づかされる。辺りを静かにさせる声「シィ―」は、人差し指を唇の真中に立てる。その仕草には結構堅い意志が感じられる。流したり、止めたり…「シ」には強さがある。

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