映画の箱に小さな穴を開けて
「酷評」が話題になっている映画「箱の中の羊」を観た。「月に一度はスクリーンで映画鑑賞」をボケ防止の一環として考えている身としては、脳への刺激を求めて足を運んだわけだが、うーん、難しかったなあ。今まで是枝監督が描いてきた「家族」を扱った作品の中では、解釈しにくい。くっきり入ってこないのだ。
「遠くない未来」のヒューマノイドも、喪失感を抱えている夫婦や家族のことも、それなりに頭の中で考えを巡らす素材にはなったが、強い揺さぶりまで至らなかった。ストーリーの特に後半部がぴんとこなかったし、場面の意図を汲み取れなかった部分もあった。是枝作品とは感性が近いと勝手に思っていただけに…
下のようなYoutubeもあり自分だけではないとわかるが、すぐにはそれを観て楽しんだり深めたりしようとは思わない。まずは自分なりの感覚を大事にしよう。
【完全解説】映画「箱の中の羊」でモヤモヤした人がスッキリする考察動画【ネタバレ】
大悟の役は確かにハマっていて、多少聞きづらい台詞もあったがそれも含めて個性的だった。あの背中を見せながら歩く後ろ姿は絶品と言ってよい。田中泯や余貴美子などの手練れの演技は存在感を示したが、今ひとつではなかったか。振り返るとセリフや動きそのものより「間」つまり編集に関わる点のように振り返る。

街角で見かけた、いつかの風景。なぜか今も心に留めたい。
題名に即せば、自分にはまだ「羊」の全容が想像できていない。映画にも登場する『星の王子さま』のエピソードに重ねれば、「箱」に小さな穴をいくつか開けただけ。「羊」はいるようだがそれが自分の欲する姿かどうかは判らない。「肝心なものは見えていますか」という俯瞰的な問いかけだけは受け取ったと言えるか。