「幻の読み聞かせ(笑)」を語る
「11月17日、幻の読み聞かせ(笑)」と題して、参加している読み聞かせグループの交流通信に載せた拙文を残しておく。対象がはっきりしているので、同じ進め方はできないだろうから…。さて、その後も二校からも中止連絡が入り、構想していたプログラムは立ち消えた。これから年の瀬に向けて感染が蔓延しなければ良いが…。自分の健康管理も含めてご用心、ご用心。
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その日は、地元の小学校で読み聞かせの予定でしたが、インフルエンザが流行り始めたようで中止の連絡がありました。今年は六年生対象が一度だけなので、温めていたネタがありとても残念で…。ふと、紙上再現を思い立ちました。こんなふうにやれたらと…。
初めに、三冊の絵本を取り出します。
『わゴムはどのくらいのびるのかしら?』(マイク・サーラ― ほるぷ出版)
『わたしのわごむはわたさない』(ヨシタケシンスケ PHP研究所)
『心って どこにあるのでしょう?』(こんのひとみ 金の星社)
そして目の前にいる六年生に、こう問いかけます。
「皆さんの中で、この絵本を知っている、憶えているという人はどのくらいいますか。」
(どのくらい挙手してくれるでしょうか)。そしてこんなふうに語ります。
「実はこの三冊は、皆さんが一年生だった頃、正確にいうと2020年6月9日に私が読み聞かせをした絵本でした。コロナ感染があって大変だった頃で、みんなはマスクをして聞いてくれたのかなあ。もう五年半くらい過ぎたので、憶えていないのは当然かもしれません。題名だけでも頭に残っていた人は凄いね。では今日は、最初にこの中から一冊だけ読んでみます。一年生になったつもりではなく、六年生の頭で聞いてみてください。」
そして『心って どこにあるのでしょう?』を読み聞かせます。

「どうでしたか。この絵本が伝えたかったことはわかったでしょう。『心』は体中のいろんなところで表現されていて、動きや言葉と強く結びついているということだね。でも、六年生になった今、皆さんは『心』が脳の働きと関係があることは理解していると思います。その脳の働きについて研究している方で、池谷裕二さんという人がいます。東京大学の教授ですが、一般の大人にもわかりやすい本をたくさん書いていて、私もファンなので何冊か読んでいます。この池谷先生が、絵の専門家と一緒になって絵本を作りました。これは読まなくては…絵本だし紹介できるはずだ…と今日ここに持ってきました。」
『生きているのはなぜだろう。』(池谷裕二・文 田島光二・絵 株式会社ほぼ日)

「この本は注文して買いましたが、袋を開いたときに、表紙についている本のカバーを見て、びっくりしました。こんなふうに書いてあるのです。『この本には 答えがあります』…さあ、皆さんは、人が生きていることの理由をみつけられるでしょうか?」
と言って、二冊目の読み聞かせを始めます。
小学生が主人公の絵本ですが、結構難しく感じる子も多いでしょう。中高生になった頃に、いつか思い出すことがあったらまた読んでほしいと結びます。
最後に忘れず、作者が解説に記している次の一節を紹介するつもりでした。
「生きるってすばらしい。人ってね、ただ生きているだけでいいんだ。もうそれだけで価値がある---- 。どうしてもこれを伝えたくて絵本を出しました。」