すぷりんぐぶろぐ

今、頬に感じる風を楽しめれば…

情報を絞るから世界が拡がる

すぷりんぐ

 イエラ・マリの『とおもったら』という絵本を隣市の図書館で見つけ、こりゃ面白いとすぐ借り、こども園で読み聞かせたのは去年の10月だった。その後も時々思い浮かぶことがあり、夏には『木のうた』を購入した。これも独特だった。まとめて目を通してみたい気になり、検索し次の三冊を借りて読んでみた。

 

 『まるい まあるい』(ブロンズ新社 2005 )

 『にわとりとたまご』(ほるぷ出版  1995)

 『あかいふうせん』(ほるぷ出版 1978)

 

 『あかいふうせん』は、子どもが赤い風船ガムを膨らましている姿から始まり、それが大きくなって離れ、円が徐々に形を変えながら、様々なモノになっていく。そのストーリーが鮮やかだ。幼い子と一緒におしゃべりしながら、浸っていける素晴らしい一冊。赤く柔らかな広がりと、黒く細い線による描画だけの構成だ。

 

(イエラ・マリ エンツォ・マリ    ほるぷ出版 1995)

 赤、黒、黄色、白の四色で、実に細かく描かれる『にわとりとたまご』は、アングルが独特だ。にわとりの足のクローズアップに始まり、産み落とされる卵、そして卵を透視した姿から誕生へ。これもドラマチックであり、書名を考えるとループ的な印象を与える。アートデザインと言っていい。解説書の一文に納得した。

 

 デザイナーが画家と最も違う点は整理能力を必要とすることでしょう。複雑な感情を表現するのではなく、どこまでもテーマを整理し、いらないものを捨て去ることができるかがデザイナーの重要な要素なのです。(松本 猛)

 

 情報の徹底した絞り込み方に、すぐれた絵本の一つの典型があると言えよう。

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