すぷりんぐぶろぐ

今、頬に感じる風を楽しめれば…

2012年1月のブログ記事

  • 迷惑をかけてもかけられても

     『遺品整理屋は見た!!』(吉田太一 幻冬舎文庫)  こういう職業があることは以前から知っていた。  かなり独特な視点で人間の生活を捉えるのではないかと漠然とした興味が湧いたので、手にとってみた。  が、まず読み始めて、少し辟易してしまう。  腐乱死体や強烈な死臭の描写、ゴミ屋敷から発生する巨大な... 続きをみる

  • 感情労働者の戯れ言,再び

     以前「感情労働者としての教師」という言葉に触発されて,このブログにメモしたことがある。  http://blog.goo.ne.jp/spring25-4/e/895f968e709d0d175d9dc2695dc1726b  『教師のためのパフォーマンス術』(上條晴夫 金子書房)の第五章「プロ... 続きをみる

  • 難であっても,困ではない

     『困ってるひと』(大野更紗 ポプラ社)  去年の夏ごろ,何かの書籍紹介で目にした。その時から若干気にかかっていた。  先日ポプラ社の「asta」という月刊誌1月号を読んでいたら,筆者と糸井重里との対談が載っていて,それでは読んでみなくてはとアマゾンへ注文した。  「エンタメ闘病記」という新ジャン... 続きをみる

  • 歪笑はお手のもの

     行きつけは小さな書店なので,お目当てにしていた北村薫の文庫本があまり揃っていなかった。そのまま目を落とした先に平積みされていたのが,この本。  『歪笑小説』(東野圭吾 集英社文庫)  「歪笑」という言葉に興味津々,気軽に一冊とってお風呂場読書を始めたが,いやいや面白い,面白い。  世の中には様々... 続きをみる

  • パフォーマーへの道のり

     『教師のためのパフォーマンス術』(上條晴夫 金子書房)  上條先生と金子書房の組み合わせ,面白いだろうと思って手に取った。教育現場のパフォーマンスに関わってかなり濃厚にまとめられている。  これは単なる感想でなく,じっくりと読みこみたい,つまり自分の考えと照らし合わせてみたいという気にさせられた... 続きをみる

  • 「時と人」の作家の語り方

     『1950年のバックトス』(北村薫 新潮文庫)  この作家を一冊の本として読むのは初めてである。  短編集となっているが,全部で23あるそのなかには「掌編」ほどの長さのものもいくつかある。  実に多彩なというか様々な文体を駆使していて,一言でいうと「達者」な書き手という印象だ。  直木賞作家でも... 続きをみる

  • ひなびたリズムで語れと言われても

     今学期はしばらく出前していなかった紙芝居を、いつくかの学級でやりたいと考えていた。  降雪が再び本格的になってきた今日を,スタートにしようと朝に決める。  手持ちの新美南吉と宮沢賢治のシリーズから、『手袋を買いに』と『雪わたり』を出し、下読みをする。対象は3年生だ。図書室にある本も紹介しながら進... 続きをみる

  • 「トイ屋」と称されること

     一週遅れの放送で、「運命の人」というTBS系の連続ドラマ初回を見た。  http://www.tbs.co.jp/unmeinohito/  山崎豊子原作ということで、時期は少しずれるがかつての「華麗なる一族」が思い出される作りだった。実在の事件がもとになっていて、キャストも豪華のようだが、スタ... 続きをみる

  • 冗長率のことを冗長に語る

     「冗長率」という言葉を知った。  冗長の意味は知っていたが、「率」がつくとなると??である。  ネット検索でいくつか引っかかるが、言葉の意味を直接表したものはない。  平田オリザ氏の雑誌連載に登場していて、次のように説明されている。  一つの段落、一つの文章に、どれくらい意味伝達とは関係のない言... 続きをみる

  • 物語に支配されない力

     題名から「ああ,あの事件だな」と思ったし,著者の名前にも惹かれた。  『37日間漂流船長』(石川拓治 幻冬舎文庫)  2001年のことというから,あの事件からもう十年以上経ったのか,ひと月以上一人で漂流して助けられたニュースがテレビで頻繁に流れ,飄々?とした容貌,語り口をしていたような印象も記憶... 続きをみる

  • ジュヴィナイルの芯となるもの

     「ジュヴィナイル」というと競馬ぐらいしか思いつかないが、「若年期」という意味らしい。 小学校時報という小冊子に載っていた対談で、人類学者である長谷川真理子教授が語っていたことに目が留まった。  人間の本来の生き方である狩猟採集生活の子どもたちは、七歳から十二歳は、下の子どもの面倒を見たり、親の手... 続きをみる

  • 記事タイトルにみる今どきの子

     冬休み前に、中学年以上の子供たちに(校内)「冬休みはがき新聞大賞」への応募を呼びかけてみた。  幸い担任が協力してくれ、出来不出来はあるものの相当数が集まった。  冬休みといえば、クリスマスから始まり年末年始、そしてスキーなどがあるし、少ない分量だからそんなにネタには困らなかったと思われる。ミニ... 続きをみる

  • 1月17日夜に「えっ,まだ」

     先日親しい方々と小宴をもったときに、何の拍子か1月17日の話題になった。  17年前の1月17日。その日は三学期の始業式だった。  朝のテレビニュースで神戸を中心に大きな地震が起きたことは知っていたが、始業式の慌ただしさに一日中紛れて実際にはあまり心に留めることがなかった。  その夜、本当に久し... 続きをみる

  • 魅力ある「辰」の年

     曜日の関係で,いつもより遅い三学期の始業式となった。  今回は,年初めであるので「干支」の話をしてみようと決めていた。  「干支」「十二支」について話し、それぞれの生まれ年に手をあげさせながら、どうして「猫」が十二支に入っていないか(光村版の国語教科書2年に載っている)を紹介し、そして今年の辰年... 続きをみる

  • 日常にある大きな分岐

     『続 閑人生生』(高村薫 朝日文庫)  朝日の「AERA」連載がまとめられた文庫である。2009年の夏から2011年4月までの文章なので,当然東日本大震災のことが最終の部分を多く占めている。  時系列で並べられている時事評論ではあるが,冒頭のあたりで心に留まる文章は,まるでこの災害に向けられて語... 続きをみる

  • 二重の意味の読書人に

     『アイム・ファイン!』(浅田次郎 小学館文庫)  旅の友として選んだ文庫本は,浅田次郎のエッセイ集。それも某航空会社が航空機に常備している冊子の連載をまとめたものだ。  そんなわけで実に気軽に読める内容だったが,さすがに中国に造詣の深い作者であり,文字や漢字についての知識がぽんぽん出てきて興味深... 続きをみる

  • 句点にある大事な意味

     先日読んだ『「教育」の常識・非常識』(安彦忠彦 学文社)のなかに,学校の教育目的について論じられている箇所がある。  究極的には「人格形成」が目的であることは法に定められた通りであり,それは学校においても間違いないと踏まえながら,著者はこう記していた。  学校ないし教師の固有の目的は「学力形成」... 続きをみる

  • 「を」と言える喜び

     ある雑誌を読んでいたら,こんな一文が目についた。  「うどんか蕎麦か」と聞かれた時,「蕎麦で」とやんわり応じるのが最近の傾向だ。  なるほど,言われてみればそんな返答の仕方はよく聞く。もしかしたら自分も使っているかもしれない。  この文章は「助詞」の使い方について書かれてあり,その例の最初として... 続きをみる

  • 立ち位置を明示して語る

     『「教育」の常識・非常識』(安彦忠彦 学文社)  この題名だけをみると,細かい教育法規のことや世間一般に蔓延っている教育界ネタのことが話題になっているのでは,と想像する人がいるかもしれない。  しかし,この著は副題に掲げられているそこから斬りこまれている。  公教育と私教育をめぐって  この副題... 続きをみる

  • 少し国語頭のリハビリ

     年初め恒例の国語研修会に参加した。  所属している会に発表者が割り当たっており,本当に珍しく中学校の分科会にすることにした。    ふだんから「国語頭」になっていないので,専門の教員が集うこうした会では,ああそうだったと思い出すこと,こういう言い方もあるのかあと感心することなどあり,いつもながら... 続きをみる

  • 仕事始めの日に

     昨日は仕事始め。  記録をみたら、昨年は風邪をひいてしまって自宅に籠りビデオ三昧の生活だったが、今年はどうやら通常のスタートをきることができた。  出勤して、いくつかの提出物の処理、確認をした。教委へ報告する書類も一つ仕上げた。  10時頃、ミニバスの全県大会へ子どもたちが出発するので見送り。午... 続きをみる

  • そして気がつけば、四度目の…

     買ってはいたが広げずじまいの本を読むことから、新年読書は始まった。  『14歳の君へ』(池田晶子 毎日新聞社)  半分が「毎日中学生新聞」に連載された文章だという。彼女の死のわずか三ヶ月前の発刊だった。  中学生向けの文章とはされているが、さすがに十分読み応えがある。  例えば「個性」という章だ... 続きをみる

  • ぜんしん2012

     昨年から始めた家族揃っての元旦書初めに選んだ一文字は「喜」。  「祈」「祝」など他にも候補はあった。そういう心構えも大切だなあと思いつつ、「喜」に決めたのはある感覚だった。  数日前に本当に何気なく、ある辞典をめくっていてそこに書かれていたある言葉群を読んでいたら、何か普通と違う感覚が湧いてきた... 続きをみる